この章のポイント このページでは北海道への移住を目指す人が感じるであろう日常生活に関する素朴な疑問に対する答えを示していきたいと思います。参考にしてください。
目次  寒さ(住宅) 寒さ(衣服) 賃貸住宅事情 クルマ 下水道 テレビ 新聞 荷物の時間指定
生活事情あれこれ
風景
2001年 9月30日公開
2014年10月 1日更新


寒さについて・住宅編
 → 心配には及びません。本州の冬より快適です。
 北海道に移住しようという人が不安に思うことのひとつに「寒さ」の問題があるでしょう。旅行で行く分にはまだしも住むには耐えられる寒さなのかと。
 結論から言いますと普通に生活する分には全く問題はありません。むしろ北海道の冬は快適です。多くの家では冬場の室温は常時20度以上に保たれています。冬でもビールの売上はさほど落ちないそうです。
 写真は私が赴任当時入居した家の内部ですが、左にあるのがストーブです。本州で使用されているものに比べると格段にパワーがあります。これで単純な作りの平屋であればだいたい暖まります。
 このようなストーブの価格は仕様や店舗により異なりますが4万〜15万程度します。煙突式とFF式など仕様に相違があり住宅の作りにより必要なストーブの仕様は異なります。それを考慮して住宅を選ぶか住宅を見てからストーブを手配するかする必要があります。
 灯油の消費量ですが、我が家のもので1時間につき0.2〜1リットル程度となっています。ただし厳冬期は1日中つけることになります。灯油代は年間でうちで5〜6万円程度でしょうか(2000年時点)。
 灯油代については地域や住宅の古さ・構造によりだいぶ異なってきます。古い家はかなり灯油を喰います。我が家の場合も住宅移動により築年数が新しくなり(S56築→H4築)面積が減った(70m2→40m2)ことで年に2〜3万程度安くなりました。
 これだけ灯油を消費しますので北海道ではポリタンクでちまちま灯油を買うようなことは基本的にはしません。戸建ての場合屋外に灯油タンクを設置しスタンドから灯油を配達してもらいます。うちも屋外に490リットル入るタンクがあります。タンクからストーブに配管しますのでいちいちストーブに給油しません。また煙突式にせよFF式にせよ排気はすべて屋外に出しますので家の中が灯油臭くなることもないです。空気も外から供給しますので換気も要りません。
 ただしこのストーブ、ひとつ問題がありまして、電気で動きます。ということは停電すると使えません。電力会社も停電は意地にかけて直してくれますがそれでも10時間以上停電する地域も時々出ます。吹雪とかで送電線がやられたりするので。本州で使われる温風の出ない古い石油ストーブもあれば持参しましょう。持ち家であれば薪ストーブを設置すれば停電しても使えます。
 ある本州出身者曰く「北海道民は寒さに軟弱だ」。あたっていると思います。北海道民にはむしろ本州の冬の方が耐え難いようです。「東京の冬のホテルは寒くてイヤだ」という道民もいます。


寒さについて・衣服編
 → 住宅同様、心配には及びません。本州より薄着です。
 北海道の寒さをしのぐ衣服についての話です。
 北海道が寒いからと言って衣服が特別厚かったりということはありません。
 まず部屋の中ですが、住宅の話で書いたように現在の北海道の住宅における冬の室内温度は道外より高いです。よって部屋の中では道外より薄着です。
 屋外は確かに道外より寒いです。ただ北海道の服は厚さよりも寒さから身を守るように機能的に工夫されています。たとえば防寒着は雪や寒さが入らないよう袖口は閉まっています。厚いだけの服で電車などに乗った日には迷惑千万です。住民は北海道で観光しているわけではありませんので意味もなく分厚い服を着てうろうろしたりはしません。
 道外の人の中には寒さを勝手に心配して冬の衣服を送りつけてくる人がいますが、はっきり言って使えません。内地の感覚であれこれ考えるより北海道に住んでからなんとかした方がよほど賢明です。


住宅事情について・賃貸住宅編
 → 当たりはずれが多いので注意して下さい。
 移住当初からいきなり自分の家を持つ人はそう多くはないと思います。多くの方は住居を借りるという形になると思います。
 一部会社員や公務員などで職場で住宅を貸してくれる場合はそれを利用されると思います。そうでなければ公営住宅や民間の住宅を借りるのでしょうか。
 公営・民間を問わず住宅にはあたりはずれが多いです。北海道の住宅技術はこの10年ちょっとの間にも飛躍的に進歩を遂げており年数の割に老朽化が激しかったりします。快適さもずいぶん違っているはずです。そのあたりも気をつけて住宅を選定されることを勧めます。
 また少し地方に出ると賃貸市場自体が著しく小さいところや民間賃貸がないに等しい地域もあります。住宅市場の細い地域では近隣の小都市に人口が集中し、そのような小都市では都市レベルに見合わぬ家賃となったり住宅物件がなかなか見つけられなかったりするケースも実際みられます。
 その結果、実際に移住した人をみると廃校跡や郵便局跡などを住居として借りている人もみられます。
 このように都市部に比べると住宅賃貸市場にはなかなか厳しい環境もあります。このような点も考えておく必要があるでしょう。


クルマについて
 → 地方では車は必需品。本州とは仕様が違うことがあるので持ち込み時には注意が必要。
 北海道の特に地方暮らしではクルマは必需品です。私も本州に住んでいた頃はクルマを持つなど財布にも環境にもいいことはないと思っていましたが、北海道暮らしに備えて本州にいるうちにクルマを購入しました。4WDの、当然寒冷地仕様車です。
 北海道では冬の寒さ対策から寒冷地仕様車が必須です。北海道で購入すると標準で寒冷地仕様車となります(当然ですよね)。また冬道での不測の事態を考えると4WD車がおすすめです。2WDでも生活できないわけではないですが、少し脱輪したとかの時には重宝しますし、春先は融雪で前輪・後輪どちらかが空回りしても4WDなら難なく対処できます(どちらも空回するときもありますが)。
 ちなみに北海道でクルマを購入すると本州より数万円高くなります。寒冷地仕様車も普通のクルマより若干高いのですが、それに北海道までの輸送費がかかるのでどうしても割高になるようです。
 走行距離ですが、私の場合は北海道での日常生活や道内旅行等々で年間走行距離は2万〜3万キロもあります。「年間1万キロ未満なら保険が安い」なんて無縁な話です。


下水道のお話
 → 水洗化率は高いですが田舎は別です。
 地方に行くと下水道はなくトイレは汲み取りという印象が強いのではないでしょうか。ある意味あたっています。北海道では下水道の対人口普及率は全国でもかなり高いようですが、人口が偏在していますので田舎に住みたい向きには関係のない話のようです。
 ならば逆に田舎は必ず汲み取りなのかというとそういうわけでもないようです。下水道そのものはなくても合併浄化槽があればトイレは水洗化できます。合併浄化槽を使用した水洗トイレは公設のものから一般家庭まで割とみかけます。あとはカネとの相談ですね。高額な設備ですから。
 なお、近年は生活排水の浄化のため合併浄化槽の設置に半額を超える補助をしてくれる市町村が結構あるようです。補助制度を使うことで100万円以下での設置が可能になり、下水道敷設地域で条件の悪い土地に引くより安くあがるケースもあるようです。
2008.7更新


テレビのお話
 → 本州の田舎よりはずっと条件がいいです。
 本州の地方に行くとテレビ局が2つくらいしかないところって時々ありますよね。北海道も地方に行くとテレビなんかほとんどないのでは?と思われる方もいるでしょうか。移住を考えるくらいの方なら結論は知ってますよね。答えはノーです。
 北海道では東京のキー局すべてに対応する放送局があり札幌圏などでは全国放送はすべて見られます。ただしテレビ東京系列のテレビ北海道のみ道北圏・道東圏の一部では放送していませんが、地上波デジタル放送開始後、エリアがひろがっており、今年末には宗谷管内で、来年末には根室管内での放送開始も予定されているようで、全道をカバーできる日も近そうです。

 もっとも山奥など電波事情そのものが著しく悪い地域ではテレビを見られないこともあります。ただ通常の人が住むような地域であればほとんど大丈夫です。地上波デジタル放送に伴って心配された難視聴地域では光ケーブルを使った再配信により見られるようになっている地区もあります。

2014.10更新


新聞のお話
 → 田舎では新聞配達がない地域があります。
 都会に住んでいると、新聞は毎朝宅配されて当たり前、朝起きたら新聞受けから新聞を取って朝食を食べながら新聞を読む、なんて方も多いと思います。
 北海道でも都市部や地方でも市町村の中心街に住んでいれば概ね大丈夫です。しかし農村地帯に行くとそうはいかない地域もあります。
 郵便で届く地域もあります。この場合は朝刊はその日の午後以降、夕刊は翌日に読めるケースが多いようです。
 また地域の小さな商店が新聞販売店を兼ねている場合があり、この場合はその商店に毎朝取りに行けば朝新聞を読むことができます。私が最初に住んだ地域はこの方式でした。最初は驚きましたが慣れれば運動不足になりがちな田舎暮らしでいい散歩になる(商店が歩いてすぐだったので)程度に開き直れます。
 なお、新聞配送の関係で、夏場は夕刊は普通に読めるけれども、冬場は次の日の朝刊とまとめて配達、というようなケースもあります。

 新聞社ですが、北海道では地方紙の「北海道新聞」がもっともポピュラーで配送網も全道で最も充実しています。
 全国紙も住む町の新聞店がやっていれば読むことが出来ます。やっていなければ郵送対応になります。新聞が普通に宅配される地域では問題ないと思いますが、道内の情報は北海道新聞が圧倒的に充実しており、全国紙を読まなくても何も不自由がないため、北海道に来てから全国紙は取ったことがありません。せいぜい飛行機に乗った時とかに読むくらいです。


荷物の時間指定のお話
 → 荷物の地方発送は、郵便局かクロネコヤマトでお願いします。
 最近は通信販売なども充実し、地方での商品購入事情もだいぶ良くなってきました。また道外からの移住の場合は、道外在住の親戚等がモノを送ってくれるケースも多々あります。

 都市部では荷物の配達に時間指定ができて当たり前ですが、田舎はそうではありません。いくら田舎暮らしだからと言ってなにがしかの仕事をしている以上は、宅配業者の都合なんぞに合わせていられない方も多いかと思います。
 大手の宅配業者でも地方は時間指定なんかできないと平気で言ってのけるのが現状です。市町村の中心部でさえ少し田舎になればそんなことを平気で言われます。業者の勝手な都合もありますが運送ルートの都合や配送拠点のない地域に時間帯ごとにいちいち配達に行けないのが実情なのでしょう。ひどい業者になると勝手に職場などに荷物を置き去りにしていきます。いい迷惑です。

 いままでいくつかの地域に住んできた経験で言えば、荷物の配達で時間指定を割ときちんとできるのは、いいところ郵便局とクロネコヤマトのみです。これ以外の業者で荷物を送られても受け取れない可能性があります。
 これらの業者であっても、地域や時間帯により対応ができない場合も考えられますが、地方へ荷物を送る際は、このいずれかの業者を使うことが無難と考えます。
2014.10更新




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