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北海道への移住を決めるまで
この章のポイント  ・北海道への移住を決めた最大の理由は、北海道が好きだから。
 ・ほんとはもっと前から移住したいと思ってたのかな?
風景
1999年 4月10日公開
1999年11月16日更新

なぜ北海道へ移住なのか?
    北海道の豊かな自然が好きだから・・・
 なぜ北海道へ移住なのでしょうか。
 その最大の理由は「北海道」という土地が好きだから、という点に尽きます。好きにまさるものはないと思います。その土地が好きだからこそその土地を愛し永住に至ることができるのだと思います。
 95年9月、私ははじめて北海道を旅しました。はじめは本州とは違う自然の雄大さにただ感動しました。その後何度か旅するうちに、季節が織りなす自然の姿に惹かれるようになりました。この自然の姿を本当に味わうためにはずっとここにいるのが一番だという思いはどこかにありました。

 北海道の魅力とはいったい何なのでしょうか。私は次に挙げる点だと思います。

●雄大な大自然
 北海道の自然は雄大です。そんな環境に身を置くと自分の人間も大きく豊かになるように感じます。精神衛生上、そのことはどんなにすぐれたことでしょうか。この大自然が豊かな感性を与えてくれるはずです。
 北海道一の大都市であり全国でも五指に入る都市である札幌でさえこの大自然を間近で感じることができます。一歩市街地から外に出るとそこは自然の宝庫です。北海道ではそれほどに自然が豊かなのです。

●自然の中で感じる季節の豊かさ
 日本は四季がはっきりしていると言われています。しかし季節は本当に4つなのでしょうか。
 私は北海道を旅する中で季節はそれ以上あるのではないかと思うようになってきました。たとえば同じ秋でも8月、9月、10月でそれぞれ違いますし、同じ月でも上旬、中旬、下旬で景色の見え方は少しずつですが違います。そのため私は旅をする時も少しずつ時期をずらして旅をするように心がけてきました。
 本当の自然が織りなす景色は日によって天候によって違います。私が旅した土地でもその日々姿を変える自然をずっと見てみたいと思う土地があります。その土地の自然はずっと住んでみないとその本当の姿は理解できないのでは、と思うようになってきました。

●自然の恵み−北海道は食の宝庫
 ご存じの通り、北海道は食の宝庫であります。
 豊かな大自然は山から海から素晴らしい食材を提供してくれます。また北海道では大規模農業の故に単位面積あたりの農薬使用量も低く押さえられています。
 これらの豊かな食材が北海道にいることでふんだんに手に入ります。これも北海道の魅力のひとつでしょう。

●まともな住環境が得やすい
 住むことに目を転じると地価の安さの故にまっとうな住環境を得やすいことが挙げられます。
 関東・関西の大都市圏の住宅は、環境は悪く家賃も高い。家を買うに至ってはン千万円もの、それこそバカじゃないかと思うくらいの大金をはたいて、それこそ一生の買い物のつもりで家を買ってもそんな大きな家が買えるわけでもなし。そこまで大層な覚悟を決め込んでも阪神大震災級の地震が来ればなんにもなりません。まわりの環境もすぐれたいい家がようやく買えたと思えば、次は会社まで片道2時間だとかひどい場合は3時間とかの通勤時間。往復したらそれだけで1日の4分の1が無駄に消えて行きますよね。
 その点、北海道では札幌近辺でさえ関東や関西では考えられないような安い相場で動いています。その安さの故に衝動買いしていく人もいるほど。通勤時間も2時間とか3時間とかかける人はごくごく特殊な人たちです。都市圏を離れると土地代がさらに安くなります。土地だけなら私のボーナスで即金払いできる物件もいくらもありますし、場所によっては坪数百円なんていう信じられない物件もあるみたいです。通勤時間は仕事や地域にもよりますが、車で何分とかの範囲の人が多いです。

●地域への溶け込み易さ
 「移住」という面で考えると、歴史が浅く慣習等も他の地域と比べ少ないことから、北海道という土地に地縁のない人でも比較的容易に土地に溶け込めることができると一般的に言われています。無論、決して簡単ではありませんし、地域によっても閉鎖性などは差があります。しかし内地のどっかの地方のような異常な排除原理はあまり見られません。
 事実北海道では北海道好きが高じて内地から移住した人が数多く成功をおさめています。


 北海道への移住の動機になったことはもうひとつあります。それは大都市圏からの脱出であり、就職活動をしていた学生の頃からのテーマのひとつでもあります。

●「地域へ住むこと」の追求
 私は就職活動の時から大都会に住むことよりは地域に住むこと、特に自然の豊かな場所で住むことを希望してきました。その点から東京を出ることを就職活動の最重要課題としました。その結果なぜか(たぶん出身地であることから)関西という土地に住みました。  確かに東京に比べれば関西は住環境はましです。また東京に比べればラッシュと言えるほど大したものはなく、通勤面で東京ほどは苦労せずに済みます。
 しかし大阪も日本第二の都市です。自然の豊かなところに住むためにはどうしても勤務地から遠くに住まざるを得ません。住居費も東京よりはましですが、やはり高いものとなっています。仕事をとっても東京とそう差はありません。
 ぼんやりとそのような想いをもっていたところに、北海道を旅しました。そこで住む土地としての北海道への関心が決定的なものになっていきました。そして「北海道への移住」が生じてきたわけです。

 

北海道への移住を決めるまで
   生活者の視点でみてみた北海道
 北海道への移住を決めてみて、私は実はもっと以前から北海道に住むことをぼんやり考えていたのではないかと思いました。ここで私と北海道とのかかわりを見直してみたいと思います。

 私は大学3年の冬、はじめて冬の北海道を体験しました。この時は「流氷を見る」などもっぱら観光目的でした。

 しかしそのあと数度の北海道訪問を経て、翌年の冬、再び冬の北海道を訪ねた時の目的は少し異なっていました。「冬の北海道に自分は住むことができるか」という挑戦がかなり入っていたと思います。日程は2週間以上、その直後に再び1週間の滞在がありましたので結果的に1ヶ月近く冬の北海道に滞在したと思います。その間には冬の北海道でのクルマの運転から、吹雪に閉じこめられた1日、クルマを取り出すための雪かき、−13度の吹雪の稚内市街を歩く・・・いろいろな要素が入っていました。
 同じ年、「北海道に移り住む」(北海道新聞社刊)という本も買いました。もうこのあたりからいつかは北海道に住むゾという気持ちがどこかにあったのかもしれません。

 そのあと、先に述べたように、就職をし、若干のブランクを経てふたたび北海道を訪れたとき、「移住」という選択肢が現実味を帯びてきたのです。

 私は移住を本気で考えてから、自分でも幸運だと思うくらい仕事もスムーズに決まり、驚くような早さで移住を実現することができました。これも北海道との運命の引き合わせなのかな、とか勝手に思っています。

★仕事については、次項「移住に向けた準備編」で詳しくお話します。

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