2000年 7月10日公開
羅臼湖展望台から羅臼湖を望む(2000.6.17撮影/羅臼町)
羅臼湖とは、知床峠の奥にある湖です。遊歩道があり、国道から歩いて1時間ほどで行くことができますが、その静けさから秘湖と呼ばれています。
準備
・クマ出没地帯です。カウベルは必携。
私は音のいいやつを用意しました。すぐに役立つことになろうとは・・・
・雪渓や沢まがいの場所があります。長靴と汚れてもいい服を。
・時期にもよりますが、人通りは少ないです。
私は週末に行きましたが、会ったのは2組程度でした。
通じない場所が多いですが、携帯電話があれば安心です。
入り口から羅臼湖まで
遊歩道とはいいながら、入り口がわかりにくいことでも有名です。知床峠から羅臼寄りに少し下ったところのカーブにある道だかなんだかわからないところから入っていきます。写真に階段のような場所があるのにお気づきでしょうか?標識は特にありません。
入り口から入ってすぐのところです。最初は道だかなんだかわからないので、自分はこのまま遭難するんじゃないかと不安になるところですが、木道が出てくるとだいぶ安心します。
なお、木道はあるところとそうでないところがあります。
しばらく歩くと、ようやく羅臼湖の標識・案内板が出てきます。これで安心です。
まだまだ雪渓が残っていました。どっちに行ったらいいのかよくわかりません。木に結びつけられたピンクのリボンがすべての頼りです。
羅臼湖に着くまでに「一の沼」から「五の沼」までを通っていきます。写真は四の沼。
「五の沼」を過ぎると羅臼湖はもうすぐです。写真でも熊笹の向こうに美しい湖面が姿を見せてきています。
そして、くまさんに出会った・・・
羅臼湖に着いて、写真撮影をしていたそのときです。
ふと横の茂みを見ると、100メートルくらい先に黒い物体が見えるではないですか。
まさにくまさんです。実物を生で見るのははじめてでしたが、思わずカメラを向けました。望遠レンズでベストアングルでとらえたのですが、折からの動作不良でピントをあわせるのに手間取っていると、くまさんがひょこひょこ(といってもやっぱりかなり速い)とこっちに向かって来るではないですか。
こりゃ写真どころじゃない、やばい、と思ってカウベルを最大音量で鳴らしました(註)。くまさんは方向を変えて逃げていきました。
しかし逃げていった方向が、自分が帰る遊歩道の方向ではないですか!(右の写真の黒いかたまりが逃げていくクマ)
しかも、さっきクマを発見した茂みと同じ茂みをもう一度見ると、もっと大きな塊がいるではないですか。じーっとこっちを見ています。たぶんさっきの母クマでしょう。最悪です。睨み返してやったらほどなく姿を消しました。
帰り道でばったり遭遇すると事なので、一応持っていた携帯電話で警察署に連絡だけ入れておきました。クマがいて当たり前な場所なので、本来ならわざわざ通報することでもないのですが、帰り道の方向に行ったというのが気味悪かったので・・・。羅臼のクマは人を襲わないという警察署の説明に安心してカウベルを大音量で鳴らしながら帰ってきました。
その後、警察に目撃場所の説明をもとめられたことはいうまでもありません。熊ノ湯の駐車場で地図を広げての簡単な説明をしてきました。
(註)攻撃範囲になるような近距離で大きな音を出すと逆に彼らの攻撃心をあおることがあります。今回は距離が十分にあったのでそれで撃退できましたが、危険もあります。でも叫んだり逃げたりするよりよっぽどましな方法です。
くまさんを発見した茂みの方向です。展望台の左側の眺めでもあります。
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