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この島では、東半分には500人の人が住み、西半分には100万羽と言われる海鳥たちが生息しています。人間と海鳥たちが実にうまく棲み分けている島です。過去にはNHK「生きもの地球紀行」でも取り上げられていたかと記憶しています。
1999年 7月 1日公開 |
天売島には多くの海鳥が棲む。白い点はみな海鳥たち。後方に北海道本土も。2003年7月撮影。
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この島に棲む鳥で特徴的なのはウトウです。昼間は洋上にいるのであまりいませんが、夕方になるとウトウがそこらじゅうに掘られた巣穴(写真)を目がけて一直線に飛んで帰ってきます。これはヒナに与えるエサとなる魚を捕って帰ってきたものです。そのまわりではその魚を横取りしようとするウミネコとの闘いがみられ、鳥の数が数だけにさながら圧巻です。繁殖期にあたる5〜7月に一番見事に見られます。このウトウの帰巣が最もよく見られるのは夕方ですので鳥を見るのなら島での宿泊をお勧めします。
またこの島には絶滅に瀕している鳥・オロロン鳥が棲んでいます。昔はもっといたみたいですが、今は国内では天売島に十数羽を残すのみのようです。サハリン(樺太)にはもうちょっといるみたいですが。彼らにとっては天売島こそが最後の楽園のようです。
海に目を転じると、海底にはウニがごろごろ転がっています。これも圧巻です。夏期は天売港から海底探勝船が出ます。澄んだ青い海の中が見られるほか、海鳥たちの姿を海上から見ることができます。
天売島のウニは味も絶品です。是非ここで食べてみて下さい。密漁はダメよ。
島を離れる時、多くの海鳥たちが船を追って沖までずっとついてきます。他の離島でもそういう光景はありますが、ここは追ってくる鳥たちの数が違います。海鳥の楽園を訪れた旅人を送ってくれているように思うのは私だけでしょうか。
<交通>
羽幌港からフェリーで約90分、高速船で約60分。いずれも焼尻島経由。
便数は時期により異なり、夏場は日に数便。冬場はフェリーのみ日に1便(それもよく欠航するらしい)。
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